2016/02/09

この時期になると、いつもあの時のことを思い出します。
ちょうど当時もクリスマス前のイルミネーションがとてもきれいな時期でした。
当時わたしは20歳の学生。たまたまバイト先で知り合った40代の男性に恋をしてしまい、相手が独身かどうかも分からなかったため、誰にも相談できずにいました。
たまたまあがる時間が同じだったため、その日は偶然彼と一緒に駅まで帰ることになりました。
駅前はイルミネーションがとてもきれいで、そんな場所を彼と並んで歩けるだけで幸せでした。
そして、思いもよらず、偶然会話の中で彼が独身であるということが分かったのです。それが分かった瞬間うれしくてうれしくて人知れず舞い上がっていました。
駅についたら、またもや願ってもみないことに、彼の方から「イルミネーションがきれいだから、もう少し見てかない?」と誘ってくれました。
もちろんわたしは二つ返事でOKしました。
30分くらい2人で歩いたと思います。もうそろそろ帰らなきゃというところで、自分の気持ちがどうにも止められなくなってしまいました。
もっと彼と話していたい、もっと彼と一緒にいたい、その気持ちが止まらず、もうどうにでもなれ!という気持ちで、勢いで彼に告白してまいました。
告白したものの、どうしたらいいのか分からず、わたしはうつむいたまま、顔を上げることができずに固まっていました。
すると彼はわたしを抱きしめ、「ありがとう」と言いました。
そして、「でも、今日は帰ろう。」と言って、そのまま駅まで手をつないで歩きました。
そのまま何事もなかったかのように家へ帰ってきたわたしは、冷静にその日起きたことを思い出しました。
冷静に考えれば考えるほど、自分のしたことが恥ずかしくなって、20歳以上も年の離れた男性が、自分のことを女性として見てくれるわけがないという結論に至りました。
そして、次バイト先で会った時、自分の方から告白はなかったことにしてほしい、これからも今までどおり、何もなかったと思って接してほしいとお願いしました。
なんとなく、彼は何か言いたそうでしたが、「分かった」と言って、今までどおりの関係に戻ることができました。
あの時、自分から何も言わなかったら彼とどうなっていたのか、今となっては分かりませんが、
若かりしときの思い出として、これからも胸にしまっておきたいです。