2016/02/09

思えば今から10年ほども前のこと、高校生だった頃。
恋と言う恋も経験せずにのんびり生きていたわたしが、初めて色恋沙汰を経験したときの話です。
体育祭で飾る大きなイラストを描く係になり、他の学年・他のクラスの知らない人たちと、数週間一緒に作業をすることになりました。
メンバーのひとり、Y君。彼と私のクラスは教室も離れていましたし、接点も無く、まったく初対面でした。
男友達などまったくおらず、いつも女の子と一緒に遊んでいたわたしは、男の子との接し方がわからず、もともとの人見知りも相まって、Y君をはじめ男子メンバーとは距離を置いていました。
しかし、日が経つに連れて、Y君からの視線が気になるようになりました。
作業の手元からふと顔をあげると、こちらを見ていたらしいY君と眼が合ったり。
何人か集まって相談をしているときも、話している人ではなくわたしの方を向いていたり。
そして、話しかけられることが増えてきました。
「おはよう」「お疲れ様」「それ、取ってもらえる?」から始まり、「どこに住んでいるの?」「趣味ってなに?」「進路はどうするの?」など、作業の合間によく会話を持ちかけられるようになりました。
鈍感なわたしとは違い、まわりの目は鋭く、「Y君って、絶対あなたのこと好きだよ」「体育祭終わったら、きっと告白されるよ」と、他の女の子達から言われ、やっと「彼はわたしのことが好きなのかもしれない」と気付きました。
Y君のことは決して嫌いではなく、お友達として一緒に過ごすのは楽しかったのですが、それ以上の気持ちにはなれず。
恋愛経験も全く無く、まだ感覚が子どもだったので、こういうときどうすればよいのかわからず動揺したわたしは、Y君を少しずつ避けるようになってしまいました。
挨拶したり、話しかけられたら答えたりはしましたが、ふたりっきりにならないように細心の注意を払い、廊下ですれ違いそうになったときは引き返したり・・・
そのうちに体育祭も終わり、Y君からも何もなく、数ヵ月後に高校を卒業しました。
もしY君が本当にわたしに気持ちがあったなら、いじわるなことをしてしまったと今では思います。
でも、当時のわたしにとっては一大事、動揺しつつも少し甘酸っぱい出来事でした。
コメント
きっと美男美女なんだろうな。16年間いたことない。
by はる 2016年4月3日 5:36 PM